下段の図13〜図16で盲腸(Ce)は通常便を含み,拡張した小腸はgaslessで,図1〜図4と骨盤腔内(図20と図21)に相当量の腹水(※)を,図7〜図9で腸間膜間の腹水(▲)を認めるので典型的な絞扼性小腸閉塞である.Closed loopを証明すれば確定診断となるので図17から追跡を始める.Aは図10のHで,1は図11の41でbeak sign(↑)を示し,図8の44で閉塞するのでclosed loopを形成している.口側の単純性閉塞は図9の丸数字1から始まり上行する.図8のaから展開し図13のsとなって回腸末端(Ti)と連続するのが肛門側の回腸であるが,closed loopの肛門側で虚脱していない理由は筆者にはわからない.絞扼された回腸の壁は単純性閉塞の小腸壁と比較して造影効果が減弱しており,図18の単純CTでやや高濃度を呈している(△)ので壊死に陥っている可能性がある.翌日39度の発熱と腹部に筋性防御を認めたので手術となった.盲腸から15cmの部位で80cm長の回腸が癒着・捻転し絞扼され,壊死に陥っていた(図A).
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