上段の図9〜図12で盲腸(Ce)と回腸末端(Ti)が虚脱している(液状内容物を含まない)ので拡張した小腸は機械的閉塞で,しかもgaslessで,図9〜図15と図21〜図25で腸間膜の濃度上昇(▲)を,図27〜図30で腹水(※)を認めるので絞扼性である可能性が高い.図31から追跡すると,Aは図15のQで,1は100を超えて図16の108で閉塞するのでclosed loop形成が証明された.図14〜図16で虚脱した肛門側の小腸(SB)があり,口側の単純性閉塞は図17の丸数字1から始まり上行する.Closed loopの腸管壁は図5〜図8のviableな空腸(白矢印)と比較してやや減弱しており,壊死かどうか微妙な所見である.発症から10時間後のCT(腹水が微増した以外は同所見)で絞扼性小腸閉塞と診断され手術となった.上行結腸と後腹膜間に索状物(図A:↑)があり,それにより約90cmの回腸が絞扼されclosed loopを形成していた.腸管壊死はなく索状物切離を行った.
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