腸閉塞・イレウス特集(obstruction+ileus)8 EXPERT COURSE 解答 【症例 ILE 39】

小腸捻転(壊死なし)・torsion of small bowel with no necrosis





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図9〜図12で上行結腸(Ac)が虚脱しているので,拡張した小腸は機械的閉塞の可能性が高い.図1と図2で肝周囲に腹水(※)を認め,前腹壁直下の小腸以外はgaslessだが,拡張した小腸の壁の造影効果は壊死を示唆する所見ではない.Closed loopを証明できないが,SMA(↑:上腸管膜動脈)とSMV(白矢印:上腸間膜静脈,△はその分枝)の走行異常を認める.図3から追跡すると,SMVがSMAの背側を180度回転して,図13では位置が入れ替わっている.さらに,SMAは図8から造影効果が減弱し,図11からは狭小化し造影効果が消失しているので小腸(軸)捻転と診断する.図8〜図11の▲は“腸管のwhirl sign”で,そこが真の捻転部位か? 図3でIVCが扁平化しており,重度のhypovolemiaを意味する.正確に診断され緊急手術となった.SMAの中枢側で180度の小腸捻転を認めたが虚血所見はなく,捻転解除を行った.SMA中枢側での捻転だから,手術が数時間遅れれば大量の小腸壊死をきたし短腸症候群になったであろう.

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  【参照症例】   1. 上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ5 【症例 EE 25】
2. 下腹部痛シリーズ(Lower Abdominal Pain) 3 【症例 LE 14】

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