腸閉塞・イレウス特集(obstruction+ileus)8 EXPERT COURSE 解答 【症例 ILE 38】

Gauzeoma・単純性小腸閉塞.Simple small bowel obstruction with gauzeoma












図13〜図15で右側結腸(△)は通常の便を含んでいるので,拡張した小腸は機械的閉塞であろう.大部分がgaslessで,図24と図25で腹水(※)を認めるが,腹腔内脂肪組織が少ないので腸間膜の濃度上昇ははっきりしない.壁の造影効果は良好だから壊死に陥った腸管はないが,単純性か絞扼性閉塞かを鑑別するために拡張した小腸を追跡する.図20からスタートすると,Aは一見図9のLで閉塞するように見えるが,よく見ると拡張こそないが液状内容物を含む図10のMへUターンするようで,真の閉塞部位は図13のPであると解釈する.1は図2の39まで拡張を示し,図13近辺では閉塞しない.図14のabはaとbに分かれて上行する.従って,図13のPでの単純性閉塞の診断がつく.図11〜図15で球形の病変(↑)を認めるが,そこへの癒着が腸閉塞の原因と思われる.上下で盲端になるが壁の造影効果は弱く,周囲に炎症所見を認めないので膿瘍ではない.手術で膿汁を含むgauzeoma(図A)を認め,そこへの癒着性腸閉塞と判明した.














  【参照症例】   1. その他(Miscellaneous)シリーズ7 【症例 ME 32】
2. その他(Miscellaneous)シリーズ11 【症例 ME 52】

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