図1と図2で盲腸(Ce)と回腸末端(Ti)が虚脱しているので,拡張した小腸は機械的閉塞の可能性が高い.大部分がgaslessで,図8〜図11で腹水(※)を,図5〜図8で腸間膜の濃度上昇(▲)を認めるので絞扼性を疑うべきである.図12のAと1から追跡すると,Aは図5のHで閉塞し,1は図1の14となり上行する.図10のabはaとbに分かれて上行し,図5のcdと図4のxyも同様に上行する.図6にはbeak sign(↑)を示す丸数字1があり,それを追跡すると同図の丸数字15で閉塞するので,このloopがclosed loopを形成し,絞扼された小腸である.つまり,単純性閉塞の口側小腸は図5のHから始まることになる.Closed loopの壁は単純性閉塞の壁と比較して同等な造影効果を呈し壊死はない.SgがS状結腸で,図6〜図8のSBが虚脱した小腸であろう.40cm長の回腸が骨盤腔内の索状物により絞扼されていた.壊死ではないがブドウ色に変色し所々漿膜下出血を認めたので切除された.
|