拡張した小腸は空腸であろう(臍を中心に右上から左下への斜線を境に空腸は左側へ回腸は右側へ位置する傾向がある).Gaslessだが,腹水と腸間膜の濃度上昇を認めず,良好な造影効果を示しているので絞扼性の可能性は低い.図5の,十二指腸(Du)から連続する上部空腸1から追跡すると,図6の37で閉塞する.図6〜図9の,腸管内に突出する病変(↑)が閉塞の原因と思われるが,強く不整な造影効果を示しているので悪性腫瘍,すなわち空腸に最も多い癌(adenocarcinoma)と診断する.イレウスチューブを挿入し空腸造影を施行したら空腸での完全閉塞を認め手術となり,上記所見が確認された.病理:poorly differentiated adenocarcinoma.
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