図5〜図8で盲腸(Ce)が通常便を含み,回腸末端(Ti)が虚脱しているので拡張した小腸は機械的閉塞であろう.Gaslessで,図5〜図12で腸間膜の濃度上昇(▲)を,図20と図21で少量だが腹水(※)を認め,この3所見があれば絞扼性の可能性が高いので図19から拡張した小腸を追跡する.Aは図12のHで,1は図13の37で閉塞するのでclosed loopを形成している.図10〜図12のSBが虚脱した小腸で,口側の単純性閉塞は図10の丸数字1で始まり上行する.Closed loopの壁の造影効果は単純性閉塞の壁よりやや低下しているが,最下段の単純(Plain)CTで壁に出血性壊死を示唆する所見(筋肉と同等または筋肉より高濃度)を認めず,viableと判断する.Sg:S状結腸.正確に診断され緊急手術となったが,手術開始はCT撮影時より2時間20分経過していた.Treitz靱帯から150cmの部位で,25cm長の小腸が索状物で絞扼されclosed loopを形成し,図Aのように出血性壊死に陥っていた.viableな腸管が2時間で壊死に陥ることを示す症例である.
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