腸閉塞・イレウス特集(obstruction+ileus)7 EXPERT COURSE 解答 【症例 ILE 35】

絞扼性小腸閉塞(壊死なし).Strangulated obstruction of small bowel with no necrosis












下段の図13〜図16で上行結腸(Ac)が虚脱しているので拡張した小腸は機械的閉塞の可能性が高い.右側の小腸は大部分がgaslessで,骨盤腔内に腹水(図27と図28:※)を,図8〜図10で腸間膜の濃度上昇(▲)を認めるので,その腸間膜に属する小腸は絞扼されている可能性がある.図2から追跡すると,Aは図17のPで,1は図15の49で閉塞するのでclosed loopを形成していると解釈できる.図15と図16で虚脱した連続する小腸(SB)を認め,図17の丸数字1から下行し図23の丸数字2でUターンするのが単純性閉塞の小腸である.Closed loopの小腸壁は造影効果を認めるので壊死はない.正確に診断され手術となった.虫垂切除部と大網が癒着し索状物を形成(図A:△),そこに40cmの回腸が入り込み絞扼されていた.若干暗赤色を呈していた(図A:↑)が,索状物を切離し絞扼を解除したら色調は正常化しviableであった.


















  【参照症例】   1. 上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ25 【症例 EE 124,125】

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