小腸だけの拡張だから小腸閉塞である．拡張した小腸はgaslessであるが，図１と骨盤腔内に腹水を認めず，腸間膜の濃度上昇もなく，腸管壁は良好に造影されているので単純性閉塞の可能性が高い．念のため図２３から追跡してみると，Aは図１４のJで閉塞し，1は図２の86となり頭側へ上行する．図１０のabはaとb となり同様に上行する．つまり，closed loopを否定でき，図１４のJでの単純性閉塞との診断が確定した．腹腔鏡下手術で，盲腸から50cmの部位の回腸が腸間膜に癒着し屈曲・閉塞を起こしていた．