図13と図14で盲腸(Ce)と回腸末端(Ti)が虚脱しているので拡張した小腸は機械的閉塞で,大部分がgaslessだが,図1と図21で腹水を認めず,その他の画像で腸間膜の濃度上昇も認めないので単純性閉塞の可能性が高い.図11と図12の“小腸内糞便(small bowel feces:↑)”は単純性閉塞の閉塞部位を示すことが多いので,図12のAと1から追跡してみる.Aは図15のNで閉塞し,図15〜図17で連続する虚脱した小腸(SB)を認める.1は図のごとく展開し,図2の69となり上行する.つまり,図15の閉塞部位(N)近辺で他の閉塞部位を認めないのでそこでの単純性閉塞であることが証明された.図15〜図17の虚脱した小腸(SB)に腫瘍性病変,重積や周囲に圧迫する病変を認めない,腹部手術の既往がない,多量のピーナッツを食した病歴から,ピーナッツによる食餌性小腸閉塞と解釈する.NGチューブを挿入し保存的に治療したら2日後には排便があり腹痛が消失した.
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