腸閉塞・イレウス特集(obstruction+ileus)7 RESIDENT COURSE 解答 【症例 ILR 35】

絞扼性小腸閉塞(壊死なし).Strangulated obstruction of small bowel with no necrosis












図2〜図4で右側結腸(白矢印)は液状内容物とガスで拡張した小腸と同様な内容物を含まないから,小腸の機械的閉塞の可能性が高い.右側で拡張した小腸は大部分がgaslessで,図21〜図25で腹水(※)を,図12と図13で腸間膜の濃度上昇(▲)を認めるのでそのloopは絞扼性である可能性が高い.図7と図8,図12と図13の局所性腹水(※)も絞扼性であることを裏付ける.図18から追跡すると,Aは図6のKで,1は図4の13で閉塞するが,図4と図5の虚脱した小腸(SB)と単純性閉塞の小腸が図4の丸数字1から始まるので,真の閉塞部位は図5の↑であろう.従って,closed loop形成が証明された.壁の造影効果は良好で,図10と図14の単純(Plain)CTで出血性壊死を示唆するような高濃度の壁を認めず壊死はない.正確に診断され緊急手術となり,上記所見が確認された.大網が回盲部の後腹膜にband状に癒着し(図A:↑),30cmの回腸を絞扼していた.絞扼された回腸は明白な壊死ではないが高度の虚血状態で,壁と腸間膜の浮腫が強いので切除した.













  【参照症例】   1. 下腹部痛シリーズ(Lower Abdominal Pain) 5 【症例 LR 22】
2. 下腹部痛シリーズ(Lower Abdominal Pain) 5 【症例 LR 25】

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