図2〜図4は省略.図5と図6の液状内容物を含む盲腸(Ce)は麻痺性イレウスを示唆するので,腹膜炎の原因(消化管穿孔),炎症性疾患や腸管壊死などを検索する.図1で遊離ガス(白矢印)を認め,図14〜図16で腹水(※)を認めるので消化管穿孔の可能性が極めて高い.さらに図15と図16で腹膜が造影効果を示している(△)のは汚染された腹水,すなわち腹膜炎を意味し,消化管穿孔の可能性はさらに強くなる.図7からS状結腸(S1)を肛門側へ追跡すると図13のS7となるが,その肛門側の図11〜図14の強く造影される病変(↑)は腫瘍性病変を示唆する.図14の▲は腹水(※)を伴い,遊離ガスである可能性が高い.従って,S状結腸癌の穿孔と診断する.穿孔性虫垂炎の診断で緊急手術となったが,S状結腸癌の穿孔が確認され,S状結腸切除術が施行された.
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