最下段の図21〜図24で上行結腸(Ac)が普通便を含むので,拡張した小腸は機械的閉塞であろう.Gaslessで,図1で腹水(※)を,図11〜図14で腸間膜の濃度上昇(浮腫:▲)を認めるので絞扼性の可能性が高い.図16〜図19の局所性腹水(△)は腸間膜の浮腫と同様に単純性閉塞例ではあまり見られない所見であり,絞扼性を示唆する.図4から追跡するとAは図16のMでUターンし,図13のPと図12のQでbeak sign(↑)を示して閉塞する.1は図9の64で閉塞するが,真の閉塞部位は図10と図11のbeak sign(白矢印)であろう.図12〜図14で連続する虚脱した小腸を認め,closed loop形成が証明された.図12の丸数字1〜図6の丸数字7が単純性閉塞の口側小腸である.絞扼された小腸壁は良好な造影効果を示し,壊死はない.図3の虚脱したIVCは重度のhypovolemiaを意味する.正確に診断され緊急手術となった.横行結腸と小腸の癒着により生じたスペースに小腸が入り込み絞扼され虚血状態を呈していたが,絞扼解除後には色調が改善し,腸切除は不要であった.
|