右側結腸の普通便は,軽度に拡張した小腸が機械的閉塞であることを強く示唆し,gaslessで,図1〜図4で相当量の腹水(※)と図9〜図22までの腸間膜の濃度上昇(▲)は絞扼性である可能性が高い.図16で閉塞部位(↑)と思われる虚脱した小腸があり,図15の1から拡張し始めるので追跡してみた.図6の80までは何とかたどり着くが,そこからの追跡は不可能である.図7〜図16の拡張のない小腸群(△)は腸間膜の明白な濃度上昇(▲)を伴っており,また図6の80と連続している可能性が高く,まだ拡張していない絞扼された小腸と解釈すべきである.壁の造影効果は図15のviableな小腸(白矢印)と比べ減弱しており,腹水の量を考慮すれば壊死の可能性を否定できない.正確に診断され緊急手術となった.大網が腸間膜に癒着しヘルニア門を形成,そこへ小腸が入り込み,Treitz靱帯から120cm,盲腸から80cmの部位で約80cmの小腸が絞扼され壊死に陥っていた.腸管は閉塞したり,麻痺性イレウスを起こすと吸収機能は停止するが,分泌機能は継続または増加するといわれ,液状内容物で拡張する(ガスはガス産生菌によるものといわれる).この症例は絞扼が強く液状内容物が貯まる前に壊死に陥ったと思われる.筆者のcollectionでは拡張のない絞扼性小腸閉塞は2%程度に見られる印象を受けているが,壊死に陥っていない症例が多い.
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