図17〜図20で上行結腸(Ac)に麻痺性イレウスを示唆する液状内容物を認めないので,拡張した小腸は機械的閉塞であろう.その小腸はgaslessで,図1〜図4,図24と図25で腹水(※)を,図5〜図8で腸間膜血管の怒張または腸間膜の濃度上昇(▲)を認めるので絞扼性小腸閉塞の可能性が高い.図1の1から追跡すると,たいした困難を感じず展開し図1の93となり,1からぐるぐる回ることになる.それでclosed loopの診断となるが,閉塞部位を検索する.図10の10は図9の9より小さくなりbeak sign(↑)を示している.図11の11は図10の10より大きく,同様にbeak sign(↑)を示す,図10の10に連続する虚脱した小腸(SB)を認めるので,10と11は繋がらない別々の小腸で,閉塞部位であるとの判断が可能である.口側(単純閉塞)の小腸の拡張は(まだ)認めない.正確に診断され手術となった.Treitz靱帯より60cmの部位で腹壁腸間膜間の索状物により110cmの空腸が絞扼されていたが,壊死所見はなく,索状物切離のみを行った.
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