胃と十二指腸が拡張しているようだが,図8の1から十二指腸を追跡すると数字順に展開し,図11の30と図12の31でbeak sign(白矢印)を示し,図13の32で閉塞する.SMA(▲)とSMV(△)の位置関係を検索すると図6から逆転し,SMA(▲)は右側に,SMV(△)は左側に存在する.十二指腸はSMAとSMVの背側を通過しない.図13〜図16の↑は血管(SMA)を軸とする典型的な“whirl sign”を示し,中腸軸捻転を意味するが,図17以降の腸管に虚血所見を認めない.以上の所見から腸回転異常症( Malrotation)と(壊死のない)中腸軸捻転(midgut volvulus)との診断となる.手術で同所見が確認された.小腸がSMAを軸に反時計方向に2回転(720度)捻転(図A)していたが,壊死所見は認めなかった.
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