腸閉塞・イレウス特集(obstruction+ileus)3 EXPERT COURSE 解答 【症例 ILE 11】

大腸閉塞・S状結腸癌.Colonic obstruction with sigmoid cancer
















図9で上行結腸(Ac)も下行結腸(Dc)も水様便を含むので,下行結腸(Dc)の肛門側で閉塞している可能性が高い.図10の下行結腸1から追跡すると,図の数字順に展開し図25のS状結腸48に至る.図18〜図23の強い造影効果を示す病変(↑)が閉塞の原因で,癌であろう.大腸閉塞例で穿孔の危険因子は盲腸の最大径>12cm,壁内気腫と小腸の拡張を伴わない(Bauhin弁がone way valveとして機能している)例といわれるが,図9〜図13の,壁に沿った線状のガス(↑)は壁内気腫であり,経肛門的減圧を施行すべきである.









下段はMultidetector CTによる冠状断(coronal)再構築画像であるが,上段の画像で診断困難なときに90度角度を変えた画像で貴重な情報を提供するので極めて有用である.図26〜図31の△が癌病変.内視鏡検査でS状結腸癌が確認され,経肛門的にイレウスチューブを挿入したが,患者が自己抜去したのでS状結腸に人工肛門を造設し,後日切除した(図A:白矢印が癌病変).








  【参照症例】   1. 上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ29 【症例 EE 142】

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