腸閉塞・イレウス特集(obstruction+ileus)3 RESIDENT COURSE 解答 【症例 ILR 13】

回腸粘膜下脂肪腫による腸重積.Intussusception with submucosal lipoma of ileum






図1〜図3で上行結腸(Ac)が虚脱しているので拡張した小腸は機械的閉塞である.図9の回腸末端(Ti)1から拡張し始め,図の数字順に展開するが,図7と図8で▲は虚脱した内筒で,その周囲に血管を含む脂肪組織(すなわち腸間膜:△)を認めるので腸重積である.図4と図5の先進部↑が重積の原因となる病変だが,典型的な脂肪組織であり,脂肪腫による腸重積である.手術で同所見が確認された.図Aの白矢印が回腸の粘膜下脂肪腫.










参考症例(回腸粘膜下脂肪腫による腸重積): 79歳男性.腹部手術の既往歴はない.2日前に食欲が全くなくなり絶食にて過ごした.当日になって間欠的な腹痛が出現し来院した.体温:36.3℃,腹部は膨満しているが軟で圧痛もない.






図1〜図9で上行結腸(Ac)と盲腸(Ce)は虚脱しており,拡張した小腸は機械的閉塞の可能性が高い.図4の1から上方へ数字順に拡張を示すが,図4と図5で▲は虚脱した内筒で,その周囲に血管を含む脂肪組織,すなわち腸間膜を認めるので腸重積である.拡張のない先進部の図9〜図12の↑が重積の原因となる病変である.水分を含む嚢胞性疾患に見えるが,浮腫を伴った脂肪腫の可能性もある.手術で回腸の粘膜下脂肪腫による重積を認めた.病理所見:lipoma with edematous change.







  【参照症例】   1. 上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ18 【症例 ER 87】

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