腸閉塞・イレウス特集(obstruction+ileus)3 RESIDENT COURSE 解答 【症例 ILR 12】

大腸閉塞・上行結腸癌.Colonic obstruction with ascending colon cancer








図9〜図16は省略.図8で下行結腸(Dc)は虚脱し上行結腸(Ac)は液状便で拡張しているので,その間で閉塞している可能性が高い.図7の1から肛門側(便が流れる方向)へ,壁の変化にも気をつけながら追跡すると,図2の6で閉塞する.図3〜図6で壁肥厚(↑)を示す病変が原因だが,強い造影効果を受け癌であろう.図17〜図21の冠状断再構築画像では白矢印が癌病変であるが,上行結腸が輪切りではなく長軸方向に表現されているので,拡張した上行結腸(Ac)と病変の関係がより鮮明で,理解しやすい.内視鏡検査で同所見を認め(図A:▲),経肛門的にイレウスチューブ挿入に成功した(図B:△).脾弯曲部を境に,右側閉塞例では経鼻的イレウスチューブで,左側は経肛門的に減圧するとした施設が多いようだが,経鼻的イレウスチューブでの減圧には4日以上かかることもあり,大腸穿孔を予防するために右側閉塞例でも経肛門的減圧を試みるべきと筆者は思う.







  【参照症例】   1. 腹部全体痛シリーズ(Generalized Abdominal Pain)9 【症例 GR 41】
2. 腹部全体痛シリーズ(Generalized Abdominal Pain)13 【症例 GR 62】
3. 上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ17 【症例 ER 82】

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