図1で上行結腸(Ac),横行結腸(Tc)と下行結腸(Dc)も水様便で拡張(基準:盲腸>9cm,他の結腸>6cm)しているのは肛門側での閉塞を示唆するので図2の1から追跡する.図10の39と図11の40で閉塞するが,図8〜図13の壁肥厚または腫瘤(↑)が原因病変であり,不整な強い造影効果を示すので直腸癌と診断する.図2〜図5の回腸末端(Ti)が虚脱し,小腸の拡張を認めないことは,Bauhin弁がone way valveとして機能していることを意味し,大腸閉塞例で大腸穿孔を起こしやすい要素の一つである(参照症例の文献考察参照).横行結腸に人工肛門を造設し,その後の精査で直腸癌が確認され,直腸切断術が施行された.