図10〜図12は省略.図13〜図17で上行結腸(Ac)と盲腸(Ce)が液状内容物を含むので拡張した小腸は麻痺性イレウスを示唆する.腹壁直下には認めないが,図4と図5の△は遊離ガスである.図18で腹水(※)があるので消化管穿孔の可能性が極めて高い.急性胃潰瘍は胃角部から前庭部が好発部位であるが,同部位に急性胃潰瘍を示唆する粘膜下浮腫像を認めないので十二指腸に注目する.図6〜図8で十二指腸球部前壁に粘膜下浮腫(▲)を認め,図6〜図8のガス像(↑)は潰瘍性病変を示していると思われ,十二指腸潰瘍の穿孔と診断する.保存的治療で順調に経過し,5日後の内視鏡検査で十二指腸前壁にA2潰瘍を認めた.
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