図６〜図８で上行結腸に液状内容物（△）を含むので，拡張した小腸は麻痺性イレウスの可能性も否定できないが，図６〜図９の小腸内の高濃度物質（↑）に注目する．図５の1から追跡すると，図１０の12までは小腸内糞便（食物残渣）を示し，図１２の14〜図１４の16まで虚脱する（蠕動運動？）が，さらに追跡すると図１５の17から拡張し始め，数字順に展開する．図９〜図１２で高濃度物質の近辺に連続する虚脱した小腸（▲）を認め，図６〜図９の↑が閉塞部位であり，閉塞の原因と考える．図２１のabはaとbと，図１８のcdはcとdとなり共に上行し，図６〜図９の近辺で閉塞する小腸を他に認めないので単純性閉塞である．CT撮影後質問したら前日の朝食後にパックモチを十分咀嚼しないで飲み込んだという．翌日には排ガスあり腹痛が消失した．モチによる食餌性小腸閉塞であろう．