上段の図1〜図5で上行結腸(Ac),盲腸(Ce)と回腸末端(Ti)が示されているが,盲腸は粘膜下浮腫による壁肥厚(虫垂根部の炎症による)を呈している.図4〜図10の液状内容物で拡張した小腸は右側結腸に液状内容物を認めないので機械的閉塞を示唆する場合が多いが,麻痺性イレウスでも早期の場合,腹膜炎や炎症が軽度の時には右側結腸に普通便を認めることがある.右下腹部に圧痛があるから虫垂炎を疑い異常虫垂を検索すると,図5の1〜図9の5は腫大した虫垂であり,急性虫垂炎である.下段の5mmスライスCTでは,図14のA〜図21のHが腫大した虫垂で,10mmスライスCTでは描出されていない糞石(図12と図13 :↑),腹膜の肥厚(図15:▲)と周囲脂肪組織の濃度上昇(図16:△)も認め急性虫垂炎の診断が容易となる.手術で同所見が確認された(図A:白矢印).
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