図1〜図3で小腸が液状内容物で拡張している.機械的小腸閉塞か,それとも麻痺性イレウスか? 図1〜図6で上行結腸(Ac)と盲腸(Ce)も液状内容物を含むので麻痺性イレウスの可能性が極めて高い.Ti:回腸末端.麻痺性イレウスを疑ったら腹膜炎の原因または炎症性疾患を検索する.図7〜図9で盲腸盲端部から連続する糞石(↑)を認め,図7の1〜図13の7は腫大した虫垂である.図10〜図14で相当量の腹水(※)を認め,麻痺性イレウスがあり,さらに図12と図13で造影効果を示す腹膜(△)は腹膜炎を示唆するので,穿孔性虫垂炎と診断すべきであろう.虫垂炎の穿孔(図A)を認め,穿孔部に大網が癒着し被覆していた.病理:gangrenous, perforated appendicitis.
|