図7〜図12で膵頭部(H)と十二指腸(Du)周囲に血腫または液貯留を認め,膵頭部は不均一にやや低濃度を示し,頭部損傷と十二指腸損傷を疑う.T:膵尾部,B:膵体部.図Aと図BのERPで主膵管(↑)は尾部まで描出されており,損傷はない.図Bの▲は造影剤の漏出の可能性があると診断されたが,上記症例のようにERP後のCTを撮れば確定診断が可能である.胃十二指腸造影で血腫による十二指腸C-loopの開大(白矢印)を認めるが,十二指腸穿孔を示唆する所見はない.腹痛と圧痛が増強したので翌日手術となったが,膵頭部挫傷(contusion)と周囲血腫を認めるだけで,十二指腸損傷も否定された.膵頭部周囲のドレナージだけで順調に経過した.
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