下段の図13と図14の↑は腎損傷を示しており,腎背側に相当量の血腫を伴う.上段の造影CT図5〜図11の△は,単純CTでは認めない所見だからextravasationである.図13と図14の▲もextravasationであるが,部位は一致するので図11から連続するものと思われるが,間にextravasationを認めない図12が介在するので別の出血部位の可能性もある.しかし,extravasationを見落とされ,Hbが12.5から8.8g/dlに低下したので,8時間後にCT再検査を行った.下段の図17〜図20で血腫が増大し対側まで広がり(↑:H3),extravasation(白矢印)も続いている.血管造影で下極分枝からのextravasation(図Aと図B:△)を認め,スポンゼル細片で塞栓した.Hbはさらに7.2g/dlまで低下したので4単位の輸血を要したが,その後は順調に経過した.
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