外傷(Trauma)シリーズ18 RESIDENT COURSE 解答 【症例 TR 86】

左腎損傷(II).Left renal injury,grade II








左腎損傷を認めるが,図1〜図4の単純(Plain)CTで高濃度(△)を示しているので,図7〜図15の左腎背側の▲は傍腎腔内血腫である.図11〜図16の白矢印はGerota筋膜を示し,日本外傷学会腎損傷分類 II型である.Extravasationは認めない.図10と図11の造影効果の弱い部分(↑)は挫傷(contusion)を示している.日本外傷学会腎損傷分類(下記参照症例の解説)のI とII はほぼ全例保存的治療が可能である.








保存的に治療され,下段図17〜図20は10日後のCT.血腫(△)は液化しており吸収され始める時期である.図19で一部の挫傷(↑)が残存している.




参考症例(右腎被膜下血腫 ):27歳男性.乗用車を運転中に電柱に衝突した.右腰背部痛を訴えている.尿潜血反応:3+.
単純(Plain)CTで右腎周囲に薄い線状の高濃度(△)を示しているので,造影CTの図6〜図11の▲は血腫であるが,その厚みの薄さを考えれば I 型の被膜下(腎周囲腔内)血腫であろう.保存的に治癒した.












  【参照症例】   1. 外傷(Trauma)シリーズ9 【症例 TR 41】
2. 日本外傷学会腎損傷分類2008

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