外傷(Trauma)シリーズ17 RESIDENT COURSE 解答 【症例 TR 84】

脾臓損傷 IIIb.Splenic injury grade III






図5〜図9で脾臓損傷を認め,脾臓周囲には相当量の血腫を伴う.図6と図7の△は脾臓実質より濃度が高く大動脈と同濃度だからextravasationである.図8と図9の▲は大動脈ほど濃染されないが,脾臓より高濃度で,図7の△に連続するからextravasationである.図2と図3の▲もextravasationの可能性があるが,double phase 造影CTがあればはっきりする.図9の虚脱したIVCも出血を裏付け,従って肝周囲とMorison窩の腹水は血液と判断する.図Aと図Bの血管造影でextravasation(↑)が確認され,コイル(図C:白矢印)で塞栓した.Hbは11.3から7.6g/dlまで低下したが,輸血は行わなかった.






下段は1週間後のCT.大部分の腹水と血腫は吸収されている.側副路が豊富だから脾動脈を塞栓してもすべての脾実質が梗塞を起こすわけではない.図16と図17の白矢印はコイル.









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