造影(Enhanced)CTの図5〜図8と図13〜図16は省略した.図1で▲の,筋肉よりdensityの高い軟部組織は血腫であるから,周囲の△は血液であり,腹腔内出血を起こしている.図1〜図4で肝周囲と脾臓周囲に,下段のMorison窩にも液貯留(※)を,また図10〜図17で血腫(白矢印)を認めるが,その量はそれぞれ200,100,100と200で,合計600mlである.図4と図9で肝外側区域に刺創路内血腫(↑)を認め,そこが出血源と思われるが,extravasationはなく既に自然止血しているものと解釈する.4時間も経っていて1000ml以下の出血量と,extravasationを認めないので手術の適応はない.しかし,手術が行われ,既に止血した肝刺創(図B:↑)が確認され(negative laparotomy),出血量は700mlであった.
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