外傷(Trauma)シリーズ14 EXPERT COURSE 解答 【症例 TE 68】

脾臓損傷 IIIb.Splenic injury grade IV









脾臓損傷と周囲に血腫,図5の胃液よりdensityの高い腹水(目盛り:おそらく血性)を認めるが,活動性の出血を示唆する,動脈と同濃度のextravasationは認めない.出血量は,図5の血腫は3角形として面積計算し8×8×1/2=32,6スライス分として約200となるが,脾臓梗塞部分も含まれている可能性があり半分の100,図12で150,図14で200+200,図15で350,合計1000mlとなる.相当量の出血を伴う脾臓損傷だから血管造影が行われた.意外にも図Aと図Bでextravasation(△)と仮性動脈瘤(↑と▲)を認め,塞栓し止血に成功した.Hb:13.6→7.8→9.3g/dl.この症例ではdouble phase 造影CTで正確な診断ができたか不明であるが,性能が向上した最近の機種でも出血の診断をできない症例もあることを認識すべきである.









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