上腹部には遊離ガスはない.図3〜図5で左右側腹部に腹水がある(※).直腸から下行結腸までの走行は図の数字の順であろう.腸管外糞便を発見するためには周囲の小腸の走行を確認した方がわかりやすい.図8のabは図7のaとbとなり上行する.同図のcd はc1〜c14とd となる.図6のef は同様にe とf になり上行する.図5〜図9の△は鏡面像を形成しない泡沫状のガスで,糞便かまたは食物残渣と混在するガスであり,周囲の腸管内ガス像とは重ならないので腸管外に存在する.図5の▲も小腸としての連続性を認めず腸管外糞便の可能性がある.図7で多数のS状結腸憩室を認め(↑),その穿孔と診断する.手術でS状結腸穿孔があり(図A:↑),骨盤腔内に多量の便性腹水と便塊を認めた.Hartmann手術を施行した.病理:diverticulitis with perforation, compatible.
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