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外傷(Trauma)シリーズ13 EXPERT COURSE 解答 【症例 TE 64】
脾臓損傷 IIIa・膵体部部分断裂 IIIa・仮性動脈瘤.Splenic injury grade II with extravasation and pseudoaneurysm・pancreatic injury II with pseudoaneurysm
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同部位の早期相と晩期相を比較しやすいように画像を並べ替えた.肝臓と脾臓周囲に少量の腹水を認めるが,脾臓周囲の腹水は胃液より高濃度を示し血性であろう.早期相図1〜図3の△は晩期相図13〜図16で拡散しており,extravasationである.
上段の図6〜図8の白矢印は晩期相で形はやや変化しているが,大きさの増大はなく,また周囲に血腫や血性腹水を認めないのでextravasationを伴わない仮性動脈瘤である.
下段の晩期相の図21と図22の膵体部(↑)は造影効果を失っており,膵断裂を疑うが,図20では膵組織の連続性を認めるので部分断裂の可能性が高い.図9と図10の▲は晩期相で形態と大きさに変化がないので仮性動脈瘤で,図21と図22の△は膵断裂部からの少量出血を示している可能性が高い.
下段の血管造影で白矢印が脾臓の仮性動脈瘤,△がextravasation,▲が膵臓の仮性動脈瘤と思われるが,異常なしと診断され保存的に経過観察された.ERCPでは主膵管に断裂像はないが,造影剤の漏出を認め(図D:↑)部分断裂と診断し,これも保存的に経過観察することになった.
CTと血管造影でextravasationを見逃されたので,下段の翌日のCT(図25〜図28)で出血量(※)は腹腔内と後腹膜腔内共に増加し,4単位の輸血を要することになる.脾臓と膵臓の仮性動脈瘤は消失した.図27の↑は膵部分断裂部.図29と図30は2週間後のCTだが,胃と膵臓間に仮性嚢胞(急性膵炎の定義に従えば,線維性皮膜が形成されるのに4週間以上かかるから4週間以前のは急性液貯留)を形成したが,4週間後(図31と図32)にはかなり縮小している.退院後は来院しておらずその後の経過は不明.
【参照症例】
1.
外傷(Trauma)シリーズ1 【症例 TE 4,5】
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