外傷(Trauma)シリーズ13 RESIDENT COURSE 解答 【症例 TR 64】

肝損傷 Ib(活動性出血なし).liver injury scale III with no active bleeding








肝中心部から尾状葉に及ぶ肝損傷(↑)を認めるが,出血量は僅かで動脈性のextravasationを認めない.晩期相の図14の△は大動脈よりdensityが低く,尾状葉実質か静脈性の出血と思われるが,1スライスだけだからminor bleedingと解釈する.保存的治療で順調に経過した. Hb:11.4→8.7g/dl.








参考症例(肝損傷 IIIb ):19歳女性.助手席に乗車中の乗用車が電柱に衝突した後,腹痛を訴え来院した.vital signsは安定.右上腹部に皮下出血を認め圧痛がある.




肝右葉にかなり大きな損傷が示されているが,周囲の出血量は最小限でextravasationを認めない.Single phase造影CTで,損傷の大きさから血管造影(図Aと図B)を行った気持ちは理解できるが,extravasationを認めず,TAEは不要であった.Double phase造影CTで出血量が1000ml以下で,extravasationを認めなければ血管造影の適応はなく,保存的治療で成功する可能性が高い.Hb:13.4→9.5g/dl.









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