図2〜図4で遊離ガス(白矢印)を,図5〜図7でMorison窩に腹水(※)を認めるので消化管穿孔の可能性が極めて高いが,図7〜図9の胃十二指腸背側の腹水(※)は胃または十二指腸損傷を示唆する所見である.図8と図9で幽門輪が示されているので図9の1〜図15の13が十二指腸である.図13〜図18で後腹膜の液貯留(▲),図15の13は壁肥厚を示し,さらに決定的なのは図14と図16で後腹膜に遊離ガス(↑)を認め,十二指腸損傷と診断した.図6と図7で△は膵断裂と診断したが,偽陽性であった.前述したように膵損傷を正確に診断するには5mmスライス以下のthin slice CTが必要である.手術で十二指腸水平部(図15の13)に2ヶ所の穿孔を認めた.
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