外傷(Trauma)シリーズ11 RESIDENT COURSE 解答 【症例 TR 55】

外傷性腎嚢胞破裂・脾損傷.Traumatic rupture of renal cyst,and spleen injury grade III with active bleeding



左腎周囲腔に液貯留(図5〜図9:↑)を認めるが,嚢胞(※)と同濃度,さらに図1の胃液とも同濃度を示しており,血腫や血液ではない.嚢胞(※)は形態が通常の円形ではなく,緊満感を欠き,減圧された状態を示しているので左腎嚢胞の外傷性破裂である.脾臓周囲の液貯留は不整で,胃液より高濃度を示し,血腫を含む血液である.図2〜図4で脾損傷(▲)を認め,△はextravasationの可能性が高いが,正常血管との鑑別はdouble phase 造影CTで容易になる.保存的治療で順調に経過したが,Hbが14.3から8.3g/dlまで低下したことは脾臓での出血が続いたことを示唆する.







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