図1で肝臓と脾臓周囲に相当量の腹水(※)を認めるが,胃液より高濃度を示し血液である可能性が高い.図4〜図6の▲と,図7〜図17の△はextravasation(造影剤の血管外漏出)を示しており,周囲に血腫を伴う.従って,腸間膜損傷による腹腔内出血であり,12スライスのextravasationはかなり高速の出血と解釈すべきである.図3〜図7の↑は十二指腸(図2と図3:Du)尾側の後腹膜血腫と思われ,腸管外にガスや腸管内容物を認めないが,術中に十二指腸損傷の有無を確認することが大事である.手術で空腸間膜に3つの裂創を認め,図Aの裂創(白矢印)から動脈性の出血を認め,結紮止血した.十二指腸には損傷を認めなかった.
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