図17〜図19の骨盤腔に少量の腹水がある.拡張した下腹部の腸管はgaslessで,図9〜図12で腸間膜の浮腫または液貯留を認める(▲).例のごとく図15のAと1から追跡すると,図8のVはbeak sign(↑)を示し図10のXで閉塞する.他方は図8の42で閉塞すると思われる.図6の小腸xyはxとyと2つの腸管となり上行するので,図7のaから始まり上行するのが単純閉塞の小腸と考えられる.図9〜図11のSBは虚脱した小腸で,図9あたりで閉塞するclosed loopの診断がつく.単純閉塞の小腸と比較して壁の造影効果はやや低下しているが,腹水の量は少なくviableと判断する.CTで正確に診断され手術を行った.約100cmの空腸が大網により絞扼性小腸閉塞を起こしていたが虚血状態は軽度で絞扼解除のみ行った.
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