上段の単純CTで肝内ガスは,一部肝辺縁から2cm以内に存在する(図1:△)が,図3と図4で主に肝門部に集中している,総胆管小腸吻合術が行われた,図3〜図11の総胆管内(↑)にもガスを認めることから門脈内ガスではなく胆管内ガス(pneumobilia)である.もっと重要な所見は,総胆管(↑,図9より尾側はおそらく小腸)が1cm以上に拡張し,内容物が高濃度を示し,ガスとの境界はニボーを形成していない(水平線でない)ので血腫を強く示唆する.図3で外側区域の胆管拡張(白矢印)と,同図の△は周囲肝組織と比較してやや高濃度を示し,これも血腫と解釈すれば,肝左葉での胆道出血である.下段の造影CT早期相で肝左葉に動脈瘤(図17と図18:▲)が発見され,肝内動脈瘤の胆道内破裂との診断が確定した.白矢印は胆管拡張を,↑はガスを含む,血腫で拡張した総胆管を示している.血管造影で同所見が確認され(図A〜図C:▲が動脈瘤),コイルで塞栓した(図D:△).
|