Extravasationを認めないが出血部位を検索してみる.図36の直腸1から結腸を逆行性に追跡すると,図の数字順に展開しそうだ(図2の100の次は図1の1).結腸内に大量の血液または血腫と思われる内容物を認める.右側結腸は虚脱しているか,血腫と思われる内容物を含み,小腸か右側結腸が出血源である.結腸の走行が納得できれば,図21〜図29の,やや高濃度の血液と思われる液状内容物とガスでニボーを形成し拡張している※は小腸である.回腸末端は図18のAから始まり図20のGとなるようだから,また臍部を中心に右上から左下への斜線を境に回腸は右側に位置する傾向があることから,※は回腸である.従って,回腸肛門側での出血の可能性が極めて高く,手術が唯一の止血法であれば上行結腸の一部と回腸切除で成功する確率が高い.他院で試験開腹され,術中小腸内視鏡を施行したが出血部位を特定できなかったのでそのまま閉腹したとの報告であった.
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