左側結腸の走行は図21の直腸1〜図9の下行結腸32で納得でき,図9〜図12で盲腸(C)と回腸末端(TI)が示されている.図13〜図20の,やや高濃度の液状内容物で拡張した△は小腸(右側に位置するからおそらく回腸)であり,回腸が出血源である可能性が高い.下血前のCTと同様に,図13〜図16で回腸(▲)が人工血管に癒着している所見を示している.さらに決定的なのは図14と図15で人工血管壁内にガス(↑)を認めることであり,消化管との瘻孔形成を強く示唆し,下血の原因と診断する.11日後の手術直前のCT(図A〜図D)で人工血管壁内のガス(↑)がより明白となっている.手術で人工血管回腸瘻が確認され,瘻孔部(図E:白矢印)を切除した.
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