その他(Miscellaneous)シリーズ20 EXPERT COURSE 解答 【症例 ME 96】

右結腸憩室出血.Bleeding right colon diverticulosis








図1〜図4で上行結腸(A),横行結腸(T)と下行結腸(D)が普通便ではなく血腫と思われる内容物を含み,出血源は右側結腸か小腸であるが,図16までで小腸は虚脱しており,液貯留や血腫と思われる内容物を認めないので,右側結腸であろう.上行結腸(図7〜図9:↑)と盲腸に憩室(図13と図14:↑)を認める.図13〜図15の▲は憩室と糞石である.図2〜図6の△と,図11と図12の△はextravasationか? 両者ともその可能性を否定できないが,同時に2箇所の憩室からの出血は極めてまれであり,正確な診断にはdouble phase造影CTを撮るべきである.どちらかが真のextravasationであろう.入院後は下血を認めず,翌日大腸ファイバー検査を行った.右側結腸とS状結腸に多発性の憩室を認めたが出血点は同定できなかった.








参考症例(回腸末端潰瘍出血):54歳女性.2時間前に黒色の下血を認め来院した.Vital signsは安定している.Hb:12.6g/dl.
図5の△は回腸末端での,唯一のextravasationを示しているが,おそらく少量出血だからであろう.1スライスだけでは確信が持てないので少量出血の検出率を高めるためにdouble phase造影CTが望ましい.図1の▲は血管の石灰化,図4の↑は壁の造影である.内視鏡検査で回腸末端に多発性潰瘍(図A:↑)を認め,生検でnon-specific ulcerと診断された.再出血は起こらなかったが,Hbは10.8g/dlまで低下した.







  【参照症例】   1. その他(Miscellaneous)シリーズ12 【症例 ME 57】

 【 次の問題→ 】  【 このシリーズの問題一覧に戻る 】 【 演習問題一覧に戻る 】