図１３〜図１６で，上行結腸（A）は液状内容物で拡張し，下行結腸（D）は虚脱しているので，その間に閉塞がないか図１２の1から肛門側へ追跡する．図の数字順に展開し，図２の２７で閉塞する．図３〜図８の▲が虚脱した下行結腸だから原因病変は図２と図３の↑である．小さい病変だが，強い造影効果を受け癌であろうと診断する．図８でIVCが虚脱しており重度の循環血液量不足を示唆する．第1病日にNGチューブを，第2病日にイレウスチューブが挿入されたが，第3病日に盲腸穿孔を起こし緊急手術となった．強い脱水によるNOMI（nonocclusive mesenteric ischemia：非閉塞性腸間膜虚血症）が穿孔を加速させた可能性がある．