その他(Miscellaneous)シリーズ19 RESIDENT COURSE 解答 【症例 MR 93】

感染性左腎嚢胞・嚢胞内出血.infected left renal cyst with hemorrhage in cyst









図3〜図6で左腎嚢胞内背側の三日月状の高濃度部分(↑)は,図7〜図9の単純CTでは筋肉よりさらに高濃度を示し(白矢印)血腫を示唆,嚢胞液も濃度がやや高いので,嚢胞内出血であろう.腎周囲の脂肪組織の濃度上昇(▲)は,腎嚢胞の感染を示唆するが,翌日に体温が37.3℃に上昇し,WBC:16700/μl ,CRP:21,6mg/dl と上昇を示した.11日間の抗生物質投与で症状が消失し,炎症反応も正常化した.図A〜図Cの2ヶ月後のCTで嚢胞(△)は縮小している.






参考症例(感染性腎嚢胞):26歳女性.特に既往歴はない.4日前から右側腰痛と発熱が続いているため来院.体温:39.6℃,右CVAに著明な圧痛を認める.図6のCT値:38.65HU.






造影CT図1〜図9で腎嚢胞(※)を認めるが,壁が良好に造影され,やや厚く,周囲腎実質に浮腫(↑)を認め,図6のdensityは通常の嚢胞(0〜20HU)より高いので感染した嚢胞性疾患である.図10〜図12で壁に石灰化(▲)を認めるので,慢性的に存在していたことを意味し,腎嚢胞の感染である.経皮的ドレナージで黄白色の膿性内容液が70ml排液された.







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