図Aで,上腹部のガスで拡張した腸管(↑)は半月ヒダ(semilunar fold:△)を認めるので大腸である.CTでは図2〜図4(T:横行結腸)の※が1と2に別れ下行し,図16で3も分岐して図19で盲端になるからclosed loopを形成している可能性が高い.図9〜図12で下行結腸(D)が虚脱しているのでS状結腸捻転は否定できる.図16で腸間膜血管(白矢印:おそらく怒張した静脈)と上行結腸(A)が▲の部位に収束し,そこが捻転部位と思われ,盲腸捻転と診断する.手術所見(上段図Bと図C):盲腸が時計回りに270度捻転していたが壊死はなかった.参照症例解説のcecal basculeタイプで,さらに盲腸先端が左方へ変位した捻転であろう.
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