その他(Miscellaneous)シリーズ17 EXPERT COURSE 解答 【症例 ME 83】

上行結腸憩室出血.Bleeding diverticulosis of ascending colon








単純CTと造影CTを上下で同部位を対比できるよう並べ替えてある.下段の図5〜図8の単純CTで,↑は憩室または憩室内糞石である.図8から口側で普通便を含み,図7から肛門側は血腫と思われる内容物を示していることから,図7より肛門側が出血源と推測する.造影CT図14〜図17の△はextravasationと筆者は解釈するが,否定的な判断がなされた.Double phase造影CTを撮ればextravasationを証明できた可能性が高い.








図19〜図22の▲は造影された壁であろうが,double phase造影CTでこの所見も明白になると思われる.








参考症例(上行結腸憩室出血):49歳男性.朝から下腹部痛と下痢が3回あり,夜には暗赤色の下血があり来院した.Vital signsは安定している.Hb:13.6g/dl.
図5でextravasation(△)を認め,図1と図2で憩室(↑)を示しているので上行結腸憩室の出血であるが,1スライスだけ(少量出血)では見逃される可能性がある.造影晩期相があれば,複数スライスで描出され,診断が容易になるであろう.大腸ファイバー検査で同所見が確認され,クリッピングで止血した.






  【参照症例】   1. その他(Miscellaneous)シリーズ12 【症例 ME 57】

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