上段の図5〜図9の白矢印は胃カメラで観察された十二指腸下行部の憩室であるが,その内外にextravasationを認めない.十二指腸の走行は図5の1から数字順に展開し,図9の11(j1)からは空腸となる.すると図6〜図8の↑は図8の12(j2:空腸)から発生した憩室であり,中に造影剤の漏出を認めるので空腸憩室での出血である.下段の晩期相でextravasationは肛門側(△)へ,そして口側(▲)へ広がっている.血管造影でSMA空腸分枝からのextravasation(図B〜図D:△)を認め,コイル(図E:▲)で塞栓し,止血に成功した(extravasationを認めなくなった).図Cと図Dの△は憩室を描出している.ところが,8日後に再度大量の下血があり,手術となった.小腸と大腸に憩室が散在していた.憩室周囲の血管を結紮し,その後は下血を認めなくなった.
|