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その他(Miscellaneous)シリーズ17 RESIDENT COURSE 解答 【症例 MR 85】
慢性膵炎・胃十二指腸動脈瘤十二指腸内穿破.Chronic pancreatitis・Rupture of gastroduodenal artery aneurysm into duodenum
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図5〜図10で膵臓全体に瀰漫性の石灰化を認め,慢性膵炎である.図16で下行結腸(D)は虚脱し,上行結腸(A)はニボーを形成する液状内容物を含み,空腸にも液状内容物(※)を認めるので大量下血の原因は空腸より口側と推測する.図9〜図12で十二指腸(Du)内の相当量の液貯留は出血源であることを示唆し,よく見ると図5〜図14の△はextravasationを示してしる.図3〜図7の↑は大動脈とほぼ同様に造影されているので動脈瘤であり,膵頭部に囲まれる部位に位置するから胃十二指腸動脈の可能性が高い.従って,大量下血の原因は胃十二指腸動脈瘤の十二指腸内穿破と診断する.図7でIVCは虚脱しており,重度のhypovolemiaを意味する.正確にCT診断され血管造影が施行された.図Aと図Bで胃十二指腸動脈から発生した動脈瘤(↑)を認め,コイルで塞栓(図C:▲)し止血に成功した.
参考症例
(胃十二指腸動脈の十二指腸断端部への穿破):54歳男性.2ヶ月前癌のため胃全摘術と空腸によるRoux-en-Y再建術が行われ,合併症なく退院した.大量の下血後一時的な意識消失があり救急搬送された.血圧は50〜60mmHg台で,来院後も鮮血性の下血が続いた.
図4の1が十二指腸断端部で,十二指腸から上部空腸は数字順に図9の44まで展開する.そこから肛門側への追跡は不可能だが,その高濃度の内容物は造影剤であり極めて大量のextravasationが示されている.手術ではっきりした動脈瘤は発見されなかったが,十二指腸断端部で胃十二指腸動脈からの活動性出血を認め(手術記録図A:↑),上下を結紮した.
【参照症例】
1.
その他(Miscellaneous)シリーズ13 【症例 ME 61】
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