その他(Miscellaneous)シリーズ17 RESIDENT COURSE 解答 【症例 MR 83】

S状結腸憩室出血.Bleeding sigmoid diverticulosis










単純CTと造影CTを上下で同部位を対比できるよう並べ替えてある.上腹部の図Aで上行結腸と横行結腸は普通便を含み,下行結腸は血腫様の内容物だから左側結腸が出血源である.図1と図2の下行結腸・S状結腸移行部で憩室(↑:S状結腸にも無数にある)を認め,造影CTの図15〜図21でextravasation(△)を示しており,S状結腸憩室出血との診断が容易である.内視鏡検査でS状結腸から下行結腸に多発性の憩室と凝血塊を認めた(図B)が活動性の出血はなく,明らかな出血部位は特定できなかった.第3病日にまた下血があり再度内視鏡検査を行ったが,同様な所見で,明らかな出血部位は不明であった.Hbが7.1g/dlまで低下し2単位の輸血を要したが,以後は再出血なく経過した.








参考症例(S状結腸憩室出血):79歳男性.硬便を排便後鮮血性の下血が5回続き来院した.血圧:98/56mmHg,脈拍:98/分.
図1〜図4の単純CTでS状結腸(S)と直腸(R)に血腫と思われる内容物を認め,↑は憩室である.図5〜図8の造影CTで△はextravasationを示し,S状結腸憩室出血である.大腸ファイバー検査で同所見が確認され,出血部位をクリッピングで止血した.








  【参照症例】   1. その他(Miscellaneous)シリーズ6 【症例 MR 30】
2. その他(Miscellaneous)シリーズ1 【症例 MR 2】

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