その他(Miscellaneous)シリーズ16 EXPERT COURSE 解答 【症例 ME 80】

右腎動静脈瘻.Arterio-venous fistula of right kidney












1)上段の単純CTで右腎が腫大し高濃度を呈しているのは,血流の増加またはうっ滞を示している可能性がある.2)図7〜図9の腎盂内の内容物(▲)はIVCと大動脈より高濃度だから血腫を意味し,血尿の原因は右腎であることを示している.図11でも右尿管は左側より高濃度を示し,血液または血腫を含んでいる.3)下段の造影CTで右腎は造影効果が弱く,造影が遅延しており,腎盂での血腫による閉塞所見である.4)図17で右腎静脈(↑)が左側に比べ,より高濃度(動脈血)で,しかも拡張している.5)図14〜図16で下大静脈(IVC)は右側で静脈内左側より高濃度(白矢印)を呈している.4と5の所見は右腎静脈に動脈血が直接流入している現象を意味し,動静脈瘻の存在を示唆する.CTでは動静脈瘻の部位は指摘できない.








血管造影で動静脈瘻(図A:↑)と腎静脈の早期造影(▲)を認め,2本の流入動脈(白矢印)をコイル(図Bと図C:△)で塞栓した.図D〜図Fは塞栓術後のCTで,右腎機能が回復し両側腎の造影効果と機能に差を認めなくなった.







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