その他(Miscellaneous)シリーズ16 RESIDENT COURSE 解答 【症例 MR 79】

横行結腸(肝弯曲部)癌.Transverse colon cancer



図4〜図8の↑は不整なやや強い造影効果を示す腫瘤性病変で,大腸癌と思われ貧血の原因であろう.内視鏡検査で肝弯曲部に全周性の腫瘍性病変(図A:▲)を認め,生検でadenocarcinomaと診断された.MAP8単位を輸血し,Hbが10.7g/dlまで改善し息切れは消失した.



参考症例 1(横行結腸癌):86歳女性.2,3日前から歩行時の息切れが出現した.眼瞼結膜に貧血を認め,Hb:3.3g/dl.
↑は強い,不整な造影効果を受け横行結腸癌である.内視鏡検査で同所見が確認された(図A:▲).






参考症例 2(直腸癌):80歳男性.9年前の心筋梗塞以来バファリンを服用している.最近便秘がちとなり,当日に大量の暗赤色の下血後顔面蒼白となり,めまいと冷汗も出現し救急搬送された.血圧:102/70mmHg,脈拍:108/分,Hb:6.3g/dl.
図3のS状結腸内には固形便を認めるので,大量下血であれば出血部位はそこより肛門側の可能性が高い.図3〜図6の↑は不整なやや強い造影効果を示し,癌であろう.下血例では液状便(▲)は血液と解釈する.ステント(図A:△)を挿入し止血に成功,さらに便秘も改善した.高価で保険適用外だが,出血病変の止血と,通過障害の治療法としてステントは有用である.








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