参考症例 2(直腸癌):80歳男性.9年前の心筋梗塞以来バファリンを服用している.最近便秘がちとなり,当日に大量の暗赤色の下血後顔面蒼白となり,めまいと冷汗も出現し救急搬送された.血圧:102/70mmHg,脈拍:108/分,Hb:6.3g/dl.
図3のS状結腸内には固形便を認めるので,大量下血であれば出血部位はそこより肛門側の可能性が高い.図3〜図6の↑は不整なやや強い造影効果を示し,癌であろう.下血例では液状便(▲)は血液と解釈する.ステント(図A:△)を挿入し止血に成功,さらに便秘も改善した.高価で保険適用外だが,出血病変の止血と,通過障害の治療法としてステントは有用である.
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